世の中をかぶく。

昨日の新聞の三面記事に、詩人まどみちおさんの詩についての記事が載っていました。

  この戦争は
  石にかじりついてでも勝たねば
  ならないのだよといへば

  お前は しづかに
  私のかほを見まもり

  ふかい信頼のまなざしで
  うなづきかへす

  お前はうなづきかへす―

  夫婦よりも
  夫婦よりも

  更にたかい血のふるさとに
  おいての

  ああ
  味方を 味方を得たやうに


記事を読む前にこの詩を先に読んだ私は、最初あまり意味が分からず『ん???』と二度ほど読み返しました。
それでやっと、戦争を否定してない詩だと理解できたの。
大好きなまどさんの詩だった事もあり、非常にショックでした。

私はあまり知らなかったけど、高村光太郎や萩原朔太郎など、戦争中に戦争に賛同する様な事を書いていた文学者は沢山いたようです。
しかし戦後、ほとんどの詩人は自分が書いた戦争詩を闇に葬り、口を閉ざしたそうです。
文人に限らず映画人や俳優など、戦争に反対する人々の弾圧はとても激しく、拷問は想像を絶するものだったと思います。
だから『反対!』と言えなかった事に対して、決して誰も責められないと思う。

まどさんの戦争詩を発見した大学教授は「この詩を公表したのは、決して批判するためではなく、文学者の戦争責任について考え直す最後の機会になると考えた」と言っています。
この記事を書いた記者も「問題は戦争詩を書いたか書かないかではなく、ほとんどの文人が書いたことを隠したり弁明したりして、反省がない点だ」と言っています。
まさにその通りだと思う。

まどさんをはじめ、高村光太郎など少数の文人は、書いた経緯を明らかにしています。


物事を時代や社会に流されずに見つめるのは、難しい事かも知れません。

一つの物事を、一度正面から見た後に少し違った角度から見ると、違うように見えてきますよね。
社会の出来事を、斜めから見ること。
それを『かぶく』と言うのだそうです。
歌舞伎という言葉も、世の中をかぶいて見た事を表現する、という事からきたそうです。

「いつも物事を正面から見た後、かぶいて見なさい。そしたら真実が見えてくるよ」

以前通っていた学校の、民俗学の先生に言われた言葉。

私も時代に流されないよう、世の中をかぶいて見ていきたいと思っています。
そして、物事の真実を見つめていけたらと思います。
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[2010/11/07 09:54] 地域情報 | コメント(0) | @
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